2022年2月3日に米宇宙関連企業「スペースX」が打ち上げた人工衛星49基のうち40基以上が太陽フレアにより機能停止に陥いりました。米宇宙天気予報センターは、2─3日について「磁気嵐警報」を出していた最中のことでした。
太陽表面の爆発現象である太陽フレア2022の影響いつからいつまでと予想されるのか?事前対策として、何ができるのでしょう?

太陽フレア2022影響いつからいつまで?
太陽フレア2022影響いつからいつまでと予想されているのでしょう?
100年に1回の頻度で起きるとされる大規模な太陽フレアで、太陽フレアが2週間連続で発生した場合
携帯電話が不通になるほか、110番や119番通報がつながりにくい事態が各地で発生。
天気予報の精度の低下や全地球測位システム(GPS)の精度も低下。
位置情報には最大数十メートルのずれが生ずるなど、カーナビにも大きな影響が出る。
順に見てゆきますと、
・大規模な太陽フレアが発生
・8分後 X線など強い電磁波が地球に届き、無線通信や放送に障害が起き、GPSの精度が落ちる
・30分以上経って 高エネルギーの粒子が地球周辺に到達し、人工衛星が故障する
宇宙ステーションや国際線の航空機に乗っている人たちは、通常より多い放射線を浴びる可能性
・2~3日後、電気を帯びたガスなどが地球に到達し、人工衛星の軌道が影響を受ける、地域によっては停電が起きる。
太陽活動はおよそ11年周期で変動しており2023~26年ごろに極大を迎えると予測されており、現在は活動が強まる時期にあります。
2018年に、ロシア・サンクトペテルブルグ市プルコヴォ天文台のユーリー・ナゴビツィン学術主任が太陽フレアのピークが、2022年から2023年に発生するとの予測を発表していました。
現在情報通信研究機構(NICT)が、太陽フレアについて静穏か活発かなどをせいぜい翌日にかけての予報を出していますが、どのような影響があるかや、さらに先の週単位や月単位の予報はできていません。
https://swc.nict.go.jp/trend/flare.html
したがって、今年いつ頃に太陽フレアが発生しそうかなどの予測はいまのところできず、まずは、前日に具体的な警報を出せるようになるのが今の課題となっているようです。
スマホが2週間通信障害? 総務省、太陽フレアの最悪被害想定を公表https://t.co/mXR7vNdFnf
100年に1回程度の極端な現象がおきたときの被害とし、携帯電話などが2週間ほど昼間に断続的に使えなくなるほか、衛星の測定が止まることで、位置情報の誤差が数十メートル生じるといった影響が出るという。
— 朝日新聞デジタル (@asahicom) April 27, 2022
太陽フレアとは?過去事例は?
太陽フレアは表面の「黒点」と呼ばれる場所で起きる現象で、黒点がちょうど地球のほうを向いているときに、大きな爆発が起きると、電気を帯びた粒子を含む高温ガスや強いX線などが放出されて、これが地球にぶつかって地磁気が乱れる現象です。
大規模な太陽フレアが発生した際に太陽から噴き出すプラズマは太陽風と呼ばれ、この太陽風に含まれる電磁波・粒子線・粒子などが地球上や地球の近くにある人工衛星などに大きな影響を及ぼします。
過去の事例を見てゆきましょう。
1859年 大規模な太陽嵐「キャリントン・イベント」により、電報システムが停止したり、電信用鉄塔が火花を放ったり、電報用紙が自然発火するといった現象が報告された。
1989年 磁気嵐により、カナダで約600万人が影響を受け、ケベック州全域が9時間停電した。
2000年 人工衛星「あすか」の機能が停止した。
2003年11月4日 過去最大級のX28フレア発生し、小惑星探査機はやぶさにダメージが生じた。
2017年9月 太陽表面で2度の太陽フレアが起き、その規模は通常の1千倍で最大級であった。
同時期に超大型ハリケーンの被害を受けたカリブ海周辺で大規模な電波障害が生じ、救援活動に支障が出ていた。また、南極では活発なオーロラが観測された。
2021年10月29日 Xクラスフレアが発生し、コロナ質量放出(CME)が10月31日地球に到達したが、惑星間空間を伝搬中に大きく減速されたため、地球磁気圏および電離圏への大きな影響は発生しなかった。
2022年2月3日に米宇宙関連企業「スペースX」が打ち上げた人工衛星49基のうち40基以上が太陽フレアにより機能停止に陥りました。

事前に対策できるのは?
個人的にできる対策はそれほど多くありません。
航空会社として、航空機への影響をできるだけ少なくするため、飛行予定の高度や航路を変更する。
電力会社は、大規模停電に備え、保安要員を増やす。
宇宙産業会社は、打ち上げ日を移動させるなどの対策が考えられます。
個人としては、停電に備えるための通常の備え
・ライトや電池の準備
・電気を使わない調理機器の用意
・スマホの充電
などが考えられます。
通信手段が使えなくなることを見越し、必要な連絡を前もって行っておく。
カーナビを使う自動車旅行や飛行機の利用を控える。

まとめ
わかりやすくまとめると
- 2025年にかけて太陽フレア活動が活発化する時期だが、2022年影響がいつからいつといえるほど予報体制が整っていない
- 個人的に事前にできる対策は停電に備えるなど限定されている
- 太陽フレアによる7件の過去事例を紹介した

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