今年一番の寒波襲来と予報が出ています。
これまで、東京では雪国では何ともないくらいの雪で交通が大混乱に陥ったことがしばしばありました。
雪で電車が止まる基準は?東京が弱い理由はどこにあるのか探ってゆきましょう。

数年に一度の強い寒気 26日は日本海側の平地でも大雪のおそれ #nhk_news https://t.co/kf9Nfn09BC
— NHKニュース (@nhk_news) December 25, 2021
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雪で電車が止まる基準
何センチの雪が積もれば、雪で電車が止まるという基準になっているのでしょうか?
過去の東京の最深積雪の記録(気象庁より)とその日の鉄道運行状況を一覧としてみました。
年月日 | 最深積雪 | 鉄道運行状況の記事 |
---|---|---|
1990年2月1日 | 11cm | ? |
1992年2月1日 | 17cm | ? |
1994年2月12日 | 23cm | 鉄道の運休や高速道路の通行止めが相次ぐなど、交通マヒ状態に(Yahoo知恵袋:ニュースの記憶)。 |
1996年2月18日 | 14cm | 陸と空の交通が大幅に乱れた。また、青梅マラソンなどのスポーツ行事が中止になったり、入試の開始時間を遅らせる大学も出た。 |
1998年1月15日 | 16cm | 東京の鉄道がマヒ状態。 |
2010年2月2日 | 1cm | 記事なし |
2011年2月14日 | 2cm | 記事なし |
2012年1月23日 | 4cm | 記事なし |
2013年1月14日 | 8cm | 首都圏で大雪となり、多数の転倒事故が発生し、道路・鉄道・航空の交通機関に大きな影響を及ぼした。 |
2014年2月8日 | 27cm | 首都圏では鉄道のダイヤが大幅に乱れた。19時現在でJR東海道本線や京浜東北線が運転を見合わせるなど、JR・私鉄各線で遅れや運休が相次いでいる。 |
2014年2月15日 | 27cm | 東急東横線の列車が雪で滑って止まり切れず、元住吉駅に停車中の列車に追突するという事故発生。 |
2015年1月30日 | 3cm | 首都圏の私鉄や地下鉄に遅れが目立ち始めています。 |
2016年1月18日 | 6cm | 首都圏では、鉄道各社が列車の本数を減らしたことなどから駅ホームに入れない利用客で大混雑が起きるなど、各地で混乱が相次いだ。 |
2018年1月22日(~23日未明) | 23cm | 23日の午後から通常より運転本数を減らして運行したため、帰宅時間は激しい混雑とダイヤの乱れが発生した。 |
2018年2月1日 | 1cm | 首都圏の鉄道は、ほぼ平常運転の見込みですが、八高線や青梅線など一部の路線では遅延が発生しています。 |
積雪量と運行状況
1990年から2021年12月26日まで、最深積雪は、20cm以上が、4日、10cm~20cmが4日、5cm~10cmが2日、5cm未満の積雪が5日ありました。
20cm以上
20cm以上の2014年の2月2回、2018年の1月には、ダイヤが大幅に乱れ、2014年2月15日には、東急東横線の列車が雪で滑って止まり切れず、元住吉駅に停車中の列車に追突するという事故が発生しました。1994年2月の報道には直接アクセスできませんでしたが、伝聞では交通マヒ状態になったのは確実です。
10cm~20cm
1992年以前は、報道が不明ですが、1996年、1998年は、東京の鉄道がマヒ状態になるなど混乱があったことは確実です。
5cm~10cm
2016年は、鉄道各社が列車の本数を減らしたことなどから駅ホームに入れない利用客で大混雑が起きたとあります。2014年の事故の反省を踏まえ、このレベルの雪で、鉄道各社で、速度制限、列車の本数を行う基準を取り入れたため、混乱が起きるのは確実です。
5cm未満
6回ありましたが、交通混乱に関連する記事は見当たらず、ほぼ正常通りだが、八高線や青梅線など一部の路線では遅延が発生していますとなっています。この程度でも、山に近い鉄道には影響が出るということです。
以上から、5cmを超えると、本数減などで、混乱が確実に起こると考えた方がよさそうです。
降雪に対する鉄道各社の基準
2014年2月に発生した東急線元住吉での衝突事故を契機に改められた東急の社内基準には次のようであり、首都圏の他の鉄道会社も、概ね同様の基準のようです。
[速度規制の実施]
・1時間に2cm以上若しくはそれに相当する降雪、又は積雪の深さが8cm 以上で、なお降り続くことが予想されるとき。又は早めのブレーキ操作により運転士等がブレーキ力不足を認めたときは、速度60㎞/h以下で運転する。・1時間に3cm以上若しくはそれに相当する降雪、又は積雪の深さが11cm以上で、なお降り続くことが予想されるとき。又は前述の60km/h以下の速度規制中においても運転士等がブレーキ力不足を認めたときは、速度 40km/h以下(世田谷線は25km/h以下)で運転する。
[運転中止の実施] 降雪時において、前方の視認距離が200m以下となったとき、又は ブレーキ力に余裕がない等、運転の継続が困難であると思われるときは 運転を中止する。
これから、積雪でみると、8cm 以上で、速度60㎞/h以下で運転の可能性、11cm以上で、速度 40km/h以下での運転の可能性が出てきます。
2016年の鉄道会社による報告では、東京の最大積雪量が6cmほどでも青梅線では本数が半分を下回るほど減っています。
以上から、積雪量が5cmを超えると何らかの対応が必要となり、正常な運行が難しくなると考えるのがよさそうです。
前方の視界がなくなるほど降っているときには、電車がストップし立ち往生する危険もありえます。
東京が雪に弱い理由
影響の大きな要因の順に見てゆきます。
電車のダイヤが過密
東京は電車の運行数が多く、分単位でダイヤが組まれ、朝早くから夜遅くまで電車が走り回っています。
5cm程度の降雪でも、早めのブレーキ操作や速度制限で、確実にダイヤが乱れ、これが後に影響して混乱につながります。
多額の設備投資ができない
年に1〜2回しか降らない雪のために、雪国で行われている以下のような降雪対策をすべての箇所に行うのは、費用対効果からいって、難しくなります。
・線路のポイント(分岐器)の融雪装置や、空気圧で付近の雪を吹き飛ばす
雪でポイントが切り替えられないと、電車が行くべき方向に進めず、ストップしてしまいます。
ポイント数も雪国に比べ、東京は圧倒的に多い
・レールに仕掛けた装置による除雪と融雪
温水をレール上に循環させる装置
レールの下にマットヒーターを敷く
・人力・除雪機による除雪・融雪
除雪車による雪かきなど
過密ダイヤだとこの対策も時間が限られ、難しい
・柵や屋根によるレール周辺の積雪予防
雪に不慣れ
鉄道職員も、通勤客もめったに降らない雪に慣れていません。
運転も慎重になるでしょうし、電車の乗り降りにも時間がかかります。
雪対策は、普段やらない作業となります。
これに東京都特有の、相互直通運転が、混乱に輪をかけます。

寒波前に準備しておきたいこと
通勤など電車を利用する場合は最新の情報を取り入れ、いつもより早めに出かける、レインシューズ、長ぐつなど、雪で滑らない履物を履くなどがあります。バスに切り替えて、寒い中を待つことも考え、いつも以上の防寒対策、ホッカイロなども準備しておきましょう。
家庭での準備をまとめておきましょう。
水と食料の確保
少なくとも3日分を確保します。
水は水道が凍って、破裂する事があるからです。
水道の凍結防止をしておきましょう。
停電の備えと防寒対策
雪の影響で電線が切れて停電になる場合があります。
懐中電灯や携帯のバッテリーだけでなく、エアコンが使えない場合に備え、ガスコンロやホッカイロなど暖を取れるものを準備します。
車の雪対策
タイヤをスタッドレスなど雪道用のタイヤにする。またはチェーンを巻いておく。
雪の降る前に、ワイパーを上げておく
除雪の準備
家の前の道路の除雪のため、防寒用の長靴、ゴム製で水が浸みない手袋、除雪用金属製スコップなど。
まとめ
わかりやすくまとめると
- 降雪20cm以上で、ダイヤが大幅に乱れや事故、10cm以上で、鉄道がマヒ状態、5cm以上で本数削減等でホーム大混乱、5cm未満だと影響は少ない
- 東京で、電車が止まる積雪の基準は明確ではないが、過去の事例や鉄道各社の基準から5cmを超えると運行に混乱が生じると考えるべき
- 東京が雪に弱い理由のトップは過密ダイヤ、次いで少ない降雪対策設備投資、雪に慣れていないなどである

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