6月の中旬から下旬に水星から海王星に至る惑星が大接近します。
6月17日惑星大接近で何が起こるのでしょうか?大災害が起こるかもといわれる惑星直列とはどう違うのでしょうか?
過去の大騒ぎの事例やSNSでの反応を含めまとめました。

6月17日惑星大接近
6月17日に惑星が大接近すると予想され、何か起こるのかと心配する人もいます。
今年の6月の中旬から下旬にかけては、明け方の空に土星、海王星、木星、火星、天王星、金星、水星の全ての惑星が勢ぞろいします。しかも、肉眼で見える5つの惑星が、太陽からの距離によって、順番どおり、水星、金星、火星、木星、土星と並びます。
さらに、欠けゆく月が毎朝惑星のそばを通りますので、、この天文ショーを一層引きたてます。
惑星大接近とよく並び称せられる惑星直列については、昔からさまざまな予言や言い伝えがあり、大災害など不幸が起こるのではと恐れられていました。また、SF作品等の舞台設定にもよく使われてきました。
1982年3月に太陽から見て、太陽系9惑星が95度の中にすっぽりと入り(当時は後に外された冥王星も惑星に含まれていた)、95度の扇の中に全惑星が入るのは180年ぶりと説明され、米国の天文学者らが「惑星直列」によっておこる潮汐力の変化が地殻に影響を与え、ロサンゼルス郊外で大地震が起こるという仮説を発表したため、アメリカでは、天文台に問い合わせが殺到したそうです。
多くの惑星が完全に同一方向に集まることは、過去も未来もあり得ず、直列といっても見かけ上せいぜい数10度の範囲に集まるにすぎないので、その時の潮汐力などの合計が地球に災厄を及ぼすレベルには遠く達しないこともはっきり説明されています。
6月17日惑星大接近は日本時間何時?
6月17日の日の出前4:00には南の空に月があり、そこから東の地平線に向かって、土星、海王星、木星、火星、天王星、金星、水星が並びます。
国立天文台 今日のほしぞらより
6月17日4:00の惑星大接近図

惑星直列との違いは?
では、今回の惑星大接近と惑星直列はどこが違うのでしょう?
惑星直列については、太陽系の星が一直線に並ぶ現象で、それぞれの引力が合わさって、地震や火山爆発など天変地異や地球滅亡が起こるなどの説があります(Wikipedia参照)。
1982年3月10日に惑星直列が起こって、太陽へ潮汐力を及ぼし、太陽の活動が活発となって、地震など地殻変動を誘発するという予言が有名でしたが、結局何も起こりませんでした。
直列といっても、この時は全惑星が95度の範囲にあっただけで、直線といえるかどうかも怪しいということも言われました。
天文学で、惑星直列についての定義はなく、地球を含む水星から海王星までの8個の惑星が太陽を中心にする90度以内の扇型の中に集まったと考えられる時期の計算値は以下となります。
西暦 | 開始 | 終了 | 期間 | 最小の扇型の角 |
---|---|---|---|---|
1126年 | 5月8日 | 5月24日 | 17日間 | 86.6度 |
1128年 | 4月7日 | 5月19日 | 43日間 | 39.0度 |
1130年 | 3月23日 | 4月7日 | 16日間 | 81.6度 |
1166年 | 8月29日 | 9月21日 | 24日間 | 73.1度 |
1307年 | 3月27日 | 5月17日 | 52日間 | 47.1度 |
1666年 | 9月15日 | 10月3日 | 20日間 | 85.1度 |
1817年 | 6月5日 | 6月22日 | 18日間 | 83.9度 |
2161年 | 5月1日 | 6月3日 | 34日間 | 68.7度 |
6月17日の惑星大接近は、6月中旬から下旬にかけて、明け方の空に全ての惑星が勢ぞろいするという地球から見た現象ですので、地球が外れており、惑星直列には、含まれないと考えられます。

惑星大接近についてのSNSの反応
💫5月の惑星💫
5月は明け方の空で明るい惑星が大接近するんだって☆
📅1日は金星と木星、30日は火星と木星の2惑星が接近♪
双眼鏡や望遠鏡での観測はもちろん、カメラでの撮影も楽しめるね📷😊映像は4月5日の火星と土星の大接近だよ(撮影:山野泰照さん)惑星の接近、みんなは見たことある^^? pic.twitter.com/95Gb275WkL
— ニコンちゃん (@nikon_chan) April 28, 2022
今朝も月と惑星たちが美しかったです。2022年5月28日3時半に撮影した様子です。月、金星、木星、火星、土星が美しくランデブーしていました。明日から明後日は火星と木星が大接近し、6月後半は、かつてボイジャー1号が捉えた太陽系の家族写真のように、地球の地面を含めれば一度に惑星たちを撮れます。 pic.twitter.com/UygMglteMM
— 藤井大地 (@dfuji1) May 27, 2022
2020/12/22
木星と土星の大接近、これほどまでに二つの惑星が迫るのは、1623年以来で、次回は60年後だそうです。この光景を400年前、ガリレオ・ガリレイも見ていたかもしれません。
土星にはしっかり輪っかが写り、木星の左上と右下には衛星が写っています。よく見ると大赤斑のようなものも。 pic.twitter.com/JXddHO8QXv
— 別所隆弘 Takahiro Bessho (@TakahiroBessho) December 22, 2020
2020/12/21
【木星・土星を撮影】
本日の木星と土星の大接近、ご覧いただけたでしょうか?
肉眼では1つの星と見間違えるくらい近かったですね!
でも、望遠鏡では2つ惑星があることがハッキリわかります。
木星の衛星まで見えていて素晴らしい光景でした✨ pic.twitter.com/NrWvaIVDMa— 仙台市天文台広報担当 (@SAO1300) December 21, 2020
2019/1/2
今朝の月、惑星
今日は月と金星が大接近の日
木星と水星も会し一層豪華に20190102-0628~0630 pic.twitter.com/QrLtnaVqlv
— やおき (@yaoki39) January 2, 2019
まとめ
わかりやすくまとめると
- 6月17日(金)AM4時ごろ晴れていれば、全惑星の大接近が一望できます
- 天変地異や地球滅亡が起こるかもという8つの惑星による惑星直列とは、地球を含まない点で異なります
- 天文ファンには見逃せない天体ショーであるのは確かです

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