新電力約700社のうち、31社がこの1年間で倒産や廃業、事業撤退などを行ったことが判明しました。
新電力倒産はどこ?その一覧と、もし契約先がそうなったらどうすべきか?をまとめます。
今、電力取引価格高騰・調達難で、新規申込み受付け一時停止としている新電力についても調べました。

新電力倒産はどこ?一覧は?
新電力倒産の一覧やその理由について見てゆきましょう。
新電力倒産が2022年続々?
2021年度(2021年4月~2022年3月)に倒産は、14件発生し、前年度の2件から急増しました。
電力調達コストが大きく上昇し、採算性が悪化したためです。
2022年度は、コロナ禍から経済復興に伴うエネルギー価格の高騰に、ウクライナ問題がさらにのしかかり、2021年度を超える卸電力価格の高騰が続くと予想され、電力の販売価格にすぐ転換できない状況では、倒産が続々増えることが懸念されます。
後で見ますように、新規申込み受付け一時停止している企業が多数に上っており、このまま価格高騰が続けば倒産・撤退が続々出てくることが十分考えられます。
なぜ倒産が相次いでいるか?
・自前の発電所を持たず、電力を卸市場から調達している
・日本では、火力発電への依存度が大きいため、エネルギー価格の高騰で卸電力価格が高騰した
・電力の販売価格の上昇は、小さくゆるやか
・ウクライナ危機を受けた原油・液化天然ガス(LNG)の相場高騰など、世界的なエネルギー需給のひっ迫が今後も想定され、今後も値上がりが長期間にわたり、かつ短期的には値下がりの材料が乏しいと予測されています。
以上より、採算性が大きく悪化し、当面これが改善される要因が見当たりません。
判明している一覧
2014年度の電力自由化以降2021年度末までで、判明している新電力の倒産・撤退会社を一覧します。
企業名 | 倒産・撤退時期 | 備考 |
---|---|---|
グローバル エナジー ジャパン | 2014年5月倒産 | 太陽光発電設備販売、電力供給事業の実績なし |
日本ロジテック | 2016年4月倒産 | 売上高555億円、電気の販売量は新電力の中で当時は5位 |
大東エナジー(大東建託系) | 2017年11月頃から「電気の供給をやめる」旨を顧客にアナウンス | 26万件の顧客を抱え、新電力としては5位のシェア |
福島電力 | 2018年夏倒産 | シェアは30位、全国に8万件の顧客を抱えていた |
エレトス電気 | 2019年5月サービス終了 | |
あくび電気 | 2020年2月末破産手続開始 | |
AGエナジー | 2020年3月倒産 | |
F-Power | 2020年3月倒産 | 大手 |
パネイル | 2021年5月民事再生法 | |
アンフィニ(ジャパン電力) | 2021年9月倒産 | |
東海電力 | 2021年11月倒産 | |
ハルエネ | 2021年11月高圧供給から撤退 | パネイルの子会社 |
ホープエナジー | 2022年3月破産手続き開始決定 | |
エルピオ | 2022年4月末でサービスを終了 | |
みの市民エネルギー | 2022年2月28日電力小売り事業からの撤退発表 | |
ウエスト電力 | 2022年3月25日電力小売り事業からの撤退発表 | |
熊本電力 | 2022年3月22日に事業を停止 | |
エルピオ(エルピオでんき) | 2022年4月30日をもってサービス終了 |
さらに、現時点で、電力取引価格高騰・電力調達難などから、新規申込み受付け一時停止している企業が以下の13社に上ります。
社名・サービス名 | 電力取引価格高騰のため | 電力調達難のため |
---|---|---|
ボーダレス・ジャパン(ハチドリ電力) | 〇 | |
エネラボ(エネルギーファンディング) | 〇 | |
サステナブルエナジー | 〇 | |
シン・エナジー | 〇 | |
MCリテールエナジー(まちエネ) | 〇 | |
楽天エナジー(楽天でんき) | 〇 | |
Japan電力 | 〇 | |
横浜環境デザイン(ヨコハマのでんき) | 〇 | |
サニックス(サニックスでんき) | 〇 | |
熊本電力 | ||
スマートテック(そらエネでんき) | ||
TRENDE(あしたでんき) | 〇 | |
京葉瓦斯(京葉ガスのでんき) | 〇 |
自分の新電力契約先が倒産したらどうすべき?
・「最終保障供給約款」の仕組みにより、新電力が倒産・撤退してもすぐに電気が止まることはありません。
代わりって、送配電網を管理している会社(各地域の大手電力会社)が電気を供給する緊急処置がとられます。
・切り替え先を探して契約する必要
但し、最終保証供給約款による送電もいつかは止まりますので、別の新電力会社や大手電力会社と契約し直す必要があります。倒産・撤退を知ってから数日以内に行動することが望ましいようです。

まとめ
わかりやすくまとめると
- 電力自由化以降の新電力倒産18社を一覧した
- 現時点で、新規申込み受付け一時停止としている新電力13社を一覧した
- 自分の新電力契約先が倒産・撤退した場合の対応をまとめた

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