パリ2024オリンピック競技大会マラソン日本代表選考競技会として前回と同様に、マラソングランドチャンピオンシップ(以下、MGC)が開催されます。
MGC女子マラソン代表の条件はどうなったのか?いつ開催されて、代表が決定されるか?
条件が東京五輪より、少し複雑になっていますので、じっくり見てゆきましょう。

MGC女子マラソン代表の条件は?
MGC女子マラソン代表の進出条件は、以下のようになっています。
JMC大会グレード | JMC加盟大会 | 開催日 | 条件 | |
---|---|---|---|---|
G1 | 第1期 | 第41回大阪国際女子マラソン大会 | 2022年1月30日 | 1~3位は2時間28分00秒以内、4~6位は2時間27分以内 |
G1 | 第1期 | 名古屋ウィメンズマラソン2022 | 2022年3月13日 | 同上 |
G1 | 第1期 | 東京マラソン2021 | 2022年3月6日 | 同上 |
G2 | 第1期 | 第10回大阪マラソン・77回びわ湖毎日マラソン統合大会 | 2022年2月27日 | 1位+2時間28分以内、2位~6位+2時間27分以内 |
国際大会 | 2022オレゴン世界選手権 | 2022年7月15日~7月24日 | 8位以内 | |
国際大会 | 2022杭州アジア大会 | 2022年9月10日~25日 | 3位以内 | |
G1 | 第0期 | 第40回大阪国際女子マラソン大会 | 2021年1月31日 | |
G1 | 第0期 | 名古屋ウィメンズマラソン2021 | 2021年3月14日 | |
ポイント対象大会 | 2020年東京オリンピック | 2021年8月8日 | ||
記録(1本) | JMC加盟大会(G1~G3)および対象国際大会 | 2時間24分以内 | ||
記録平均(2本) | JMC加盟大会(G1~G3)および対象国際大会 | 2時間28分以内 | ||
JMCランキング | シリーズ1 (第0期、第1期) | ランキング上位8名 | ||
シリーズ2 (第1期、第2期) | ランキング上位8名 |
基本は今年のG1、G2グレードの国内大会での、順位と時間、今年の国際大会での順位や、次のJMC(ジャパンマラソンチャンピオンシップ)ランキングでの各期間でのランキング上位8名を条件とします。
また、JMC加盟大会(G1~G3)および対象国際大会で決められた時間を1度または2度(平均)突破した場合にも参加が認められます。
2月7日時点での女子MGC出場権獲得者(ファイナリスト)は以下の6名です。
第41回大阪国際女子マラソン大会の結果が反映されています。
No. | 名前 | 所属 | 登録陸協 | 自己ベスト | 出場権を獲得した大会と記録 | 順位・記録 |
---|---|---|---|---|---|---|
1 | 松田瑞生 | ダイハツ | 大阪 | 1970-01-01 02:20:52 | 第41回大阪国際女子マラソン大会 | 1位(2:20:52) |
2 | 上杉真穂 | スターツ | 千葉 | 1970-01-01 02:22:29 | 第41回大阪国際女子マラソン大会 | 2位(2:22:29) |
3 | 松下菜摘 | 天満屋 | 岡山 | 1970-01-01 02:23:05 | 第41回大阪国際女子マラソン大会 | 3位(2:23:05) |
4 | 谷本観月 | 天満屋 | 岡山 | 1970-01-01 02:23:11 | 第41回大阪国際女子マラソン大会 | 4位(2:23:11) |
5 | 阿部有香里 | しまむら | 埼玉 | 1970-01-01 02:24:02 | 第41回大阪国際女子マラソン大会 | 5位(2:24:02) |
6 | 佐藤早也伽 | 積水化学 | 千葉 | 1970-01-01 02:23:27 | 第41回大阪国際女子マラソン大会 | 6位(2:24:47) |
各シリーズのチャンピオンには賞金600万円、2位は300万円、3位は100万円が授与されます。
「シリーズⅠ」は、2020年12月~22年3月(第0期と第1期)、「シリーズⅡ」は2021年11月~2023年3月(第1期と第2期/22年度)、「シリーズⅢ」は2022年4月~2024年3月(第2期/22年度と第3期/23年度)、「シリーズⅣ」は2023年4月~2025年3月(第3期/23年度と第4期/24年度)が対象期間となります。
各シリーズの総合成績で、シリーズ最終年度の日本選手権の順位が決まります。
記録ポイントと大会のグレードを考慮したJMCポイントの合計で、パーフォーマンスポイントとなり、加算されてゆきます。
第1期は、日本陸連の主催・後援大会やトップレベルの競技者が多く出場するマラソンを想定した、G1とG2の2グレードでスタートしています。第2期からは、全国各地の公認マラソンを広く対象に想定したG3、第3期からは最上位のGSを導入する予定となっています。
現時点での、JMCシリーズⅠ(第0期と第1期)の順位は、第41回大阪国際女子マラソン大会を制した松田瑞生がダントツの1位となっています。
順位 | 名前 | 所属 | 都道府県 | 総合ポイント | 第0期ポイント | 第1期ポイント |
---|---|---|---|---|---|---|
1 | 松田瑞生 | ダイハツ | 大阪 | 2578 | 1284 | 1294 |
2 | 上杉真穂 | スターツ | 千葉 | 2477 | 1219 | 1258 |
3 | 松下菜摘 | 天満屋 | 岡山 | 2460 | 1213 | 1247 |
4 | 阿部有香里 | しまむら | 埼玉 | 2453 | 1231 | 1222 |
5 | 佐藤早也伽 | 積水化学 | 千葉 | 2447 | 1237 | 1210 |
6 | 谷本観月 | 天満屋 | 岡山 | 2358 | 1122 | 1236 |
7 | 加藤岬 | 九電工 | 福岡 | 2322 | 1174 | 1148 |
8 | 田中華絵 | 第一生命グループ | 東京 | 2319 | 1194 | 1125 |
9 | 川内理江 | 大塚製薬 | 徳島 | 2314 | 1117 | 1197 |
10 | 池満綾乃 | 鹿銀 | 鹿児島 | 2312 | 1168 | 1144 |
これ、残り1kmまで引っ張ろうが引っ張らまいが今回の松田瑞生選手の順位やタイムにはそうそう支障はなかったと思います❗️大阪国際で話題「男子選手が残り1kmまで先導していいのか?」…マラソン界でも議論が続く“ペースメーカー是非問題” https://t.co/EUiOUbChNI #マラソン
— ストップザドーピング山本 (@sbMZiidNnq2VT0j) February 10, 2022
MGCマラソンはいつ?
パリ五輪の前年2023年秋に開催されることが決まっています。
具体的日程は今後発表されます。
東京五輪では、開催予定の前年2019年9月15日に実施されました。

パリ五輪代表決定との関連
基本的に東京五輪での代表選考と同様、MGCでの“一発勝負”のレースで、代表を選考します。
東京五輪選考と同様、2023年秋に開催予定のMGCの上位2人を最優先に選考し、残る1人は「MGCファイナルチャレンジ」として、主要大会の成績を考慮して選ぶことになりそうです。
男子の大迫傑選手が6位、女子の一山麻緒選手が8位に入賞したことで、選手強化と選考過程の透明の成果はあったと見た訳です。
これにさらに磨きをかけるため、新たに、JMCを新設し、安定的に高いレベルのパフォーマンスを出せる選手をMGC進出条件に加えたことになります。

MGC女子マラソンに関するSNSの反応


箱根駅伝などで区間新が連発していることから、陸上界の技術は相当伸びているはずだと思うのだが、いったいなぜなのか。


もちろん、選出方法は最も不公平感がないもので、出られなかったのは仕方ない。

まとめ
わかりやすくまとめると
- MGC女子マラソン代表の条件は基本的には、東京五輪と同じだが、新設されたJMCの各シーズンでの順位をクリヤーした選手も含まれる
- MGCマラソンは、2023年秋に開催される
- 先日の大阪国際女子マラソン大会で、女子MGC出場権獲得者がすでに6名決まった

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