北京冬季オリンピックのカミラ・ワリエワ(ロシア)事件でこれまで以上に沸き起こったフィギュアスケートの 年齢制限の引き上げ気運。
フィギュアスケートの年齢制限・引き上げはいつから?影響を受ける選手とは誰なのかを見てゆきます。

目次
フィギュアスケートの年齢制限・引き上げはいつからか?
フィギュアスケートの年齢制限・引き上げはいつからになるのでしょうか?
ロシアのウクライナ侵攻で、ROCの北京パラリンピックの参加が急遽取り消されるなど、状況は混とんとしています。
年齢制限導入の最新情報
2022年3月現在での年齢制限導入に関する最新情報をまとめておきましょう。
国際スケート連盟(ISU)では、シニア、ジュニア、ノービスの計3クラスが定義されており、
ISU主催の選手権(世界ジュニア選手権を除く)とオリンピックフィギュアスケート競技は15歳以上(前年の7月1日時点)、その他のシニアクラスの競技会は15歳以上(大会直前の7月1日時点) 、ジュニア13歳以上、ノービス10歳以上と規定されています。
最新情報では、ISUがフィギュアで五輪や世界選手権などに参加できる年齢について、15歳から17歳に引き上げる案を6月の総会に諮ることがほぼ確実となったようです。
きっかけとなった事件もあり、総会で賛成多数で可決される可能性が高いようです。
ただ、17歳以上への実施時期は、2023/24シーズンから適用されるか、まず16歳として、2024/25シーズンからとなるかは、現時点では不明です。
年齢制限導入の理由・背景
現行の規定では、前年の7月1日時点で15歳になっていればシニアの大会に出場できます。
これまでも、2018年平昌五輪で当時15歳だったロシアのアリーナ・ザギトワが高難度ジャンプを武器に金メダルを獲得するなどフィギュアスケートでは、低年齢化が顕著で問題視されてきました。
毎年6月のISU総会には、年齢制限・引き上げがたびたび提案されてきました。
フィギュアスケートでは成長しきっていない10代半ばの方が、体が柔らかく、大技を習得しやすいとされていますが、幼い頃から練習し続けると、体に無理がかかるため、選手寿命が低下することに繋がります。
すなわち、十代半ばの選手が高難度のジャンプを武器に活躍し、瞬く間に取って代わられるという特にロシアで見られる低年齢化への懸念から、年齢の引き上げがさけばれるようになっていました。
いつからになりそうか?
6月のISU総会で、賛成多数で、承認されれば、この変更は2023/24シーズンから適用されます。
しかし、2023/24シーズン16歳,2024/25シーズン17歳というように段階的に適用される案が出ているとも言われています。
すなわち、2023年7月1日から始まる来シーズンから何らかの変化がある可能性が高いというわけです。
年齢制限導入で影響を受ける選手や国は?
女子シングル(2022.2.17現在)ランキング上位のシニアの選手と日本とロシアのジュニアの注目選手について、2023/24シーズンから17歳に適用されるとした場合、算定される2023年7月1日の時点で年齢を一覧しました。
女子シングルランク(2022.2.17現在) | 選手名 | ポイント | 生年月日 | 年齢(2022年2月17日現在) | 年齢(2022年7月1日) | 年齢(2023年7月1日) |
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1位 | アンナ・シェルバコワ(ロシア) | 4419 | 2004年3月28日 | 17 | 18 | 19 |
2位 | アレクサンドラ・トゥルソワ(ロシア) | 3646 | 2004年6月23日 | 17 | 18 | 19 |
3位 | 坂本花織(日本) | 3195 | 2000年4月9日 | 21 | 22 | 23 |
4位 | ユ・ヨン(韓国) | 3176 | 2004年5月27日 | 17 | 18 | 19 |
5位 | エリザベータ・トゥクタミシェワ(ロシア) | 2923 | 1996年12月17日 | 25 | 25 | 26 |
6位 | カミラ・ワリエワ(ロシア) | 2745 | 2006年4月26日 | 15 | 16 | 17 |
7位 | アリョーナ・コストルナヤ(ロシア) | 2565 | 2003年8月24日 | 18 | 18 | 19 |
8位 | 樋口新葉(日本) | 2506 | 2001年1月2日 | 21 | 21 | 22 |
9位 | アリサ・リウ(アメリカ) | 2472 | 2005年8月8日 | 15 | 16 | 17 |
10位 | カレン・チェン(アメリカ) | 2291 | 1999年8月16日 | 22 | 23 | 24 |
11位 | 紀平梨花(日本) | 2271 | 2000年7月21日 | 19 | 20 | 21 |
12位 | ルナ・ヘンドリックス(ベルギー) | 2204 | 1999年11月5日 | 22 | 22 | 23 |
13位 | エカテリーナ・リャボワ(アゼルバイジャン) | 2117 | 2003年3月27日 | 18 | 19 | 20 |
14位 | キム・イェリム(韓国) | 2016 | 1999年3月5日 | 22 | 23 | 24 |
15位 | エカテリーナ・クラコワ(ポーランド) | 1912 | 2002年6月24日 | 19 | 20 | 21 |
16位 | マライア・ベル(アメリカ) | 1860 | 1996年4月18日 | 25 | 26 | 27 |
17位 | ブレイディ・テネル(アメリカ) | 1802 | 1998年1月31日 | 24 | 24 | 25 |
18位 | イ・ヘイン(韓国) | 1784 | 2005年4月16日 | 17 | 18 | 19 |
19位 | マイア・フロミフ(ロシア) | 1759 | 2006年5月25日 | 15 | 16 | 17 |
20位 | 三原舞依(日本) | 1674 | 1999年8月22日 | 22 | 22 | 23 |
24位 | 宮原知子 | 1496 | 1998年3月26日 | 23 | 23 | 24 |
34位 | 横井ゆは菜 | 1143 | 2000年5月19日 | 21 | 22 | 23 |
38位 | 松生理乃 | 1120 | 2004年10月10日 | 17 | 17 | 18 |
54位 | 河辺愛菜 | 842 | 2004年10月31日 | 17 | 17 | 18 |
69位 | 本田真凜 | 611 | 2001年8月21日 | 20 | 20 | 21 |
111位 | 川畑和愛 | 319 | 2002年1月12日 | 20 | 20 | 21 |
115位 | 山下真湖 | 308 | 2002年12月31日 | 19 | 19 | 20 |
130位 | 荒木菜那 | 254 | 2002年3月5日 | 19 | 20 | 21 |
136位 | 浦松千聖 | 230 | 2002年8月6日 | 19 | 19 | 20 |
213位 | 住吉りをん | 84 | 2003年8月15日 | 18 | 19 | 20 |
216位 | 岩野桃亜 | 76 | 2004年3月20日 | 17 | 18 | 19 |
ジュニア(日本) | 島田麻央 | 2008年10月30日 | 13 | 13 | 14 | |
ジュニア(日本) | 吉田陽菜 | 2005年8月21日 | 16 | 16 | 17 | |
ジュニア(日本) | 千葉百音 | 2005年5月1日 | 16 | 17 | 18 | |
ジュニア(日本) | 田中梓沙 | 2005年10月29日 | 16 | 16 | 17 | |
ジュニア(日本) | 中井亜美 | 2008年4月27日 | 14 | 14 | 15 | |
ジュニア(ロシア) | ソフィア・アカチエワ | 2007年7月7日 | 14 | 14 | 15 | |
ジュニア(ロシア) | ベロニカ・ジリナ | 2008年5月15日 | 14 | 15 | 16 |
カミラ・ワリエワ(ロシア)、 アリサ・リウ(アメリカ)、 マイア・フロミフ(ロシア)など、現在17歳未満シニア選手は2023年7月1日の時点で17歳となっており、影響を受けません。
影響を受けるのは、ジュニアの
島田麻央(日本)、中井亜美(日本)と、現在大きな注目を浴びているソフィア・アカチエワ(ロシア)、ベロニカ・ジリナ(ロシア)となります。
いずれも注目される実力の持ち主で、14歳のソフィア・アカチエワがロシアジュニア選手権2連覇し、12歳のベロニカ・ジリナが練習中に、最難関のジャンプ4回転ルッツを成功させたなど、話題を呼んでいます。
日本では、ノービスから推薦出場した島田麻央が、2021年11月の全日本ジュニア大会で、優勝しました。フリーでは4トウループを着氷。その他の要素も完ぺきに揃え、逆転優勝を果たし、大いに期待されています。
4月に行われるベロニカ・ジリナのコーチのプルシェンコ氏のサンクトペテルブルク「チャンピオンズ・ユニオン」 ショーのキャンペーン
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フィギュア年齢引き上げに関するSNSの反応

オリンピック選手は自己で判断できる大人であるべきです。
さらにロシアの女子フィギュアは21歳の前回金メダル選手がオリンピックに出れないくらい消耗が激しいのは異常ですよ。

15歳の子、ロシアが使い捨てしてるのしんどいわ。
今度は17歳の子を製造するんですかね🤔

でも本来的には採点基準を変えるのが筋だと思います。でないと表に出なくなるだけで虐待懸念は続くような🤔

まとめ
わかりやすくまとめると
- フィギュアスケートの年齢制限・引き上げは2023/24シーズンから
- 島田麻央(日本)、ベロニカ・ジリナ(ロシア)など引き上げで影響を受ける4選手を挙げた
- 年齢制限・引き上げよりジャンプに偏った採点基準を変えるのが筋との意見も

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