2022年のメジャーリーグが間もなく開幕します。エンゼルスの大谷翔平選手は昨年に続き投打の「フル二刀流」で臨み、MVPに輝いた昨年以上の活躍が期待されます。
その大谷翔平選手の「追い風」になりそうな新ルールを、今季メジャーリーグが導入します。「大谷ルール」とも呼ばれるほど、全30球団中、ほぼ大谷選手だけが対象という異例の制度。この大谷ルールとはどんな内容なのか、メリット・デメリットとともに探りました。(出典:Wikipedia、スポーツメディア)

大谷ルールとは
メジャーリーグ機構(MLB)とメジャーの選手会はこのほど、「打順に入った先発投手が降板後もDH(指名打者)で出場を続けられる」とする新ルールを今季から導入することで合意したと、米メディアが報じました。別名「大谷ルール」とはこのことです。
従来の野球規則では「DHの指名は義務ではないが、試合前に指名しなかったときは、その試合でDHを使うことはできない」とされていました。
昨季まではエンゼルスが属するア・リーグだけがDH制を導入しており、大谷選手が投打の「二刀流」で同時出場する際は、試合前にDHを解除して「2番・投手」などで出場。
そして大谷投手が例えば6回まで投げて降板した後も打席に入るには、DHが採用できないため、外野の守備に就く「三刀流」をこなす必要がありました。
しかし今回の新ルール導入で「投手大谷」降板後は「DHの打者大谷」として最後まで継続出場できるわけです。現時点で、MLB全体を見渡してもこのルールの対象となるのは大谷選手だけ。このため「大谷ルール」と呼ばれています。

https://twitter.com/Angels/status/1506696700366254081
大谷ルールのメリットとデメリット
2022年のMLB大谷ルールとは、「大谷選手が投打同時出場(リアル二刀流)の試合で、投手として降板後もDHとして引き続き打順に入れる」というもの。
今時点では大谷翔平選手だけにしか適用されそうにないこの特殊ルール、どういうメリットやデメリットがあるのか、考えてみました。
Trout and Ohtani reunite with Iggy❤️ pic.twitter.com/f1gaWGsNbZ
— Bally Sports West (@BallySportWest) March 22, 2022
メリット
大谷ルールのメリットは以下のような点が挙げられます。
二刀流増を促す
そもそもこのルール導入には、大谷選手のような二刀流をリーグ全体で増やしたいというMLBの目的があります。昨季の〝二刀流〟大谷選手の活躍は、多くのファンや関係者に「野球の原点」や子供の頃感じた元来の楽しさを思い出させました。MLBとしては二刀流選手をもっと増やし人気復活につなげたい狙いがあるようです。

大谷の打席急増
昨季、大谷選手が投打同時出場したのは20試合計69打席。今季も同じ23試合に登板すると仮定し、1試合4打席だとすると「大谷ルール」によって約20打席増えます。
これとは別に、今季は両リーグでDH制が導入されますので、ナリーグ主催試合でも大谷選手はDH出場でき、この二つで合計50打席ほど増えるとみられます。

実質ロースター1人増
現在MLBのベンチ入り選手上限は26人で、うち投手は13人。しかし大谷ルールにより投手と野手を実質もう1人増やすことが可能になり、「試合の計画を立てやすい」(エンゼルスのマドン監督)利点があります。
序盤炎上でも影響少
マドン監督はまた「(大谷のために)このルールは理にかなっている。仮に投球内容が悪くて早い回に降板しても長く試合に出場できる」と歓迎。ルールをフル活用できるエンゼルスにとっては、悲願のポストシーズン進出の後押しにもなりそうです。

【ビッグニュース】MLBと選手会が今季からのいくつかのルール変更に合意し、その一つとして「投手・DH」で選手を起用できるようになる。つまり投手として降板した後も、DHとして出続けられる。
事実上、恩恵を受けるのは大谷翔平とエンゼルスだけ。まさに「大谷翔平ルール」。https://t.co/wDtSB4OZhI
— ジェフ・フレッチャー⚾️エンゼルス番記者 (@ShoTimeTalk) March 23, 2022
デメリット
一方デメリットについては以下の点が指摘されています。
不公平すぎ
大谷ルール、一番の問題・デメリットは「大谷だけ用」という不公平さです。つまり30球団でエンゼルスしか恩恵がない形。ある米記者は「エンゼルスに不当な利益をもたらす。二刀流は増えて欲しいが、たった1、2人にしか適用できないようなルールには違和感を覚える」。
この点はマドン監督も「議論になるだろう」と認めつつ、「我々の立場からすれば、彼がやってきたことを見たら当然だと言える」と反論。「大谷フリーク」のバーランダー記者も「ショウヘイ・オオタニというレジェンドがいたからこそ実現した、という事実を忘れてはならない」と強調しています。

https://twitter.com/BallySportWest/status/1506412232443412482
大谷ルールにSNSの反応は?




出典:https://news.yahoo.co.jp/articles/f39a6d2a9776f5a4a6b2bed801230cf5ebc75af5/
まとめ
わかりやすくまとめると
- 2022MLBで新たに「大谷ルール」導入へ。リアル二刀流で投手降板後もDH可
- 昨季オールスターでも採用。現時点で大谷だけ対象。エンゼルスに超追い風
- 大谷の打席数が増えタイトルに有利。一方「不公平すぎる」と球界に批判も