2016年(平成28年)の熊本地震や西日本を襲った2018年(平成30年)7月の豪雨、9月の北海道胆振東部地震などで提供された災害時の公衆無線LANにファイブゼロジャパン(00000JAPAN)があります。
いざというときに、ファイブゼロジャパン(00000JAPAN)を使う場合のセキュリティで注意すべき5点を挙げ、具体的な使い方をまとめました。

目次
ファイブゼロジャパン(00000JAPAN)のセキュリティで注意すべき5点
00000JAPAN(ファイブゼロジャパン)とは、日本における大規模災害時に、情報収集や安否確認などを支援するために無料で提供される公衆無線LAN(Wi-Fi)です。
東日本大震災発生時、4Gを始めとする通信回線の復旧が遅れたことを契機に整備され、2016年4月の熊本地震で初めて実際に運用され、九州全域で55,000箇所のアクセスポイントが提供されました。
誰でもつなぐことができる00000JAPANですが、パスワードや認証などが必要ない分、セキュリティには十分気をつけなければいけません。
例えば、悪意を持った人物が00000JAPANを騙ったなりすましWi-Fiを設置しやすいということもあります。
また、暗号化されていないサイトでは、通信内容を盗聴されてしまう可能性もあります(Wikipedia参照)。
個人情報の入力を避ける
クレジットカードを使用したオンラインショッピングなど、個人情報が含まれる情報のやり取りは避けましょう。
00000JAPANは、大規模災害や深刻な災害等の緊急時に、被災地で誰でも使えるという利便性を確保するため、通信の暗号化等セキュリティへの対応は行っていません。
パスワードやクレジットカードの番号といった「個人情報を入力しない」ことがまず大切です。
つなぎっぱなしにしない
接続後、つなぎっぱなしの状態では、個人情報の入力をしていなくてもアプリなどを経由して重要な情報を盗まれる恐れがあります。
一度接続しても「つなぎっぱなしにしない」ように利用が終われば、接続をこまめに解除することが肝要です。
偽の00000JAPANに注意する
00000JAPANに類似した偽のアクセスポイントにアクセスさせて、通信内容やデータを盗むなどの手口がありえます。
接続時にはアクセスポイントの名前が正しいかどうかを念入りに確認する必要があります。
暗号化されていないサイトの接続は避ける
緊急時の安否確認や情報収集にとどめるとともに、暗号化されていないサイト(httpではじまり、アドレスバーに鍵マークの出ないサイト)では、通信内容を盗聴されてしまう可能性があるため、httpsなどホームページのデータ通信の暗号化(SSL化)されているサイトのみに接続することが望まれます。
VPN通信の利用
VPN通信は仮想の専用回線を作って通信する方法で、VPN通信が使えるソフトウェアなどを利用することによって、より安全に通信を行えます。
但し、ソフトウェアは有料となります。
やむを得ず金融系のサービス等で個人情報の入力を避けられない場合は個人的にセキュリティ対策として、VPN通信を利用する必要があります。
ファイブゼロジャパン(00000JAPAN)の使い方
使い方
ファイブゼロジャパン(00000JAPAN)は、携帯キャリアに関係なく誰でも簡単に使えます。
使い方は、スマートフォンのWi-Fi画面のネットワーク一覧から、00000JAPANを選んで接続するだけです。パスワードやメールアドレス登録などの認証なしで、すぐにつなぐことができます。
また、利用時間や回数の制限もありません。
使える場所
利用できる場所は、主に普段、携帯キャリアのWi-FiやフリーWi-Fiが提供されているアクセスポイントが設置されているところです。
また、避難所などに設置されている臨時のアクセスポイントから利用できる場合もあります。
使えるタイミング
提供開始までの期間は災害発生後 72 時間以内で、提供終了のタイミングは「携帯インフラの復旧状況に応じて各事業者等が無料開放の継続・終了を判断することが推奨される」とされています。
2018年6月18日に発生した大阪府北部の地震では、6月18日から6月26日早朝までの9日間にわたって提供されました。
以下のリンク:災害用統一SSID 00000JAPAN (ファイブゼロジャパン)に災害が生じたときにどこで、いつ使えるかが表示されます。
https://www.wlan-business.org/customer/introduction/feature
先の大雨の件での情報は以下でした。
「令和4年7月の大雨による00000JAPANの無料開放について」
2022年7月8日 00000JAPAN, お知らせ, 新着情報
(第2報 7月9日17:00) 現在、当連絡会会員により、以下のとおり災害用統一SSID 00000JAPAN(ファイブゼロジャパン)にて公衆無線LANサービスの無料開放が開始されております。 最新情報は順次当HPにて掲 […]
● 広島県東広島市(発動終了)
発動日時:2022年7月8日17時00分
停止日時:2022年7月9日17時00分
発動場所:広島県東広島市(31台)
パスワードはなし
災害時に、誰でも簡単につなぐことができるように、パスワードやメールアドレス登録などの認証は必要ありません。また、通信が暗号化されていませんので、前記のようにセキュリティへの十分な注意が必要です。
災害発生時に使えるネット環境の確保術、まずは「00000JAPAN」を探すhttps://t.co/Rbyqmdemb9
災害時に開放される、公衆無線LAN「00000JAPAN」(ファイブゼロジャパン)。その接続方法は?(2021年11月)
— 日経クロステック IT (@nikkeibpITpro) July 4, 2022

まとめ
わかりやすくまとめると
- ファイブゼロジャパン(00000JAPAN)のセキュリティで注意すべき5点を挙げた
- 使用する際には、セキュリティの弱点を常に頭において、緊急時の安否確認や情報収集にとどめる、つなぎっぱなしにはしないなどの注意が必要となる
- ファイブゼロジャパンの具体的な使い方、情報を得る方法をまとめた

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